巨人との戦いの歴史 5 ~巨人=「調停者」

巨人化の秘密 11 ~巨人と「巨神兵」 を書いていて思ったのですが、巨人は世界の「調停者」なのではないのでしょうか?

※これはわたしのオリジナルの意見ではなく、どこかで読んだ情報でもあります。


調停者、いわば絶対的な力の持ち主が世界にいて、人類が間違った方向へ行こうとするとき、世界に現れ「調停」し、人類を「修正」するのです。
ですから、人類以外は襲わないというわけです。

それはいわば「神」という存在であり、世界を支配している法則と言い換えてもいいかもしれません。

東日本大震災の後、石原慎太郎、当時の東京都知事は「あの大地震は、おごれる日本に対する天罰だ」というような発言をして、ひどく反感を買いました。

政治家としては、とうてい許されざるものではありません。しかし、文学者としての石原氏の発言ととらえれば、そのような「天罰」という発想はあると思います。

この世界を支配する絶対的な存在による修正、と考えるのは、文学者としてはむしろ普通だと思います。
※あくまで文学上の話です。


これを『進撃の巨人』の世界にあてはめて考えてみても、十分に通用するのではないかと思います。

つまり、巨人=調停者=世界の支配者という神話的な物語が前提となっているのです。
というわけで、それに則って少し考えてみたいと思います。


巨人といっても凡庸型巨人は、他者との意思の疎通はできそうにありません。
また、猿型の巨人との関係において、あきらかにその下位にいるので、調停者の側であっても、そのものということはないと思います。

普通に考えれば、調停者は猿型の巨人です。


しかし、猿型を含めた巨人=調停者であり、猿型はそのコア(中核部分)と考えた方がよいでしょう。
巨神兵でいうところの「オーマ」の存在です。

※参照  ウィキペディア 巨神兵


世界の調停者たる巨人族が壁を壊し、巨人をもってして人類を修正しようとした。
そして、その先遣隊がライナー・ベルトルト・アニなどの特殊巨人で、さらに内部への巨人の進撃のために兵団に入った…というようなことが考えられます。

107年前、ほとんどの人類を食いつくした ように、今回も天罰的な意味合いで、ほとんどの人類の食いつくす予定だった。
しかし、エレン(巨人になれる人間)の存在により、その必要がなくなった…。

エレンは、『風の谷のナウシカ』でのナウシカの存在です。
つまり、調停者と人類の間をとりもつ(可能性をひめた)者と考えることができます。




調停者たる巨人の目的(意思)は、人類の粛清ではなく、修正です。
ですから、「修正」のカギとなるエレンを、“故郷”に連れて帰れば、目的は達成されたと判断できるかもしれません。

巨人側はあくまで人間になれる巨人であり、エレンは巨人になれる人間という位置づけです。


と、まぁ、これは初期の考察ならばけっこう成り立つのかもしれませんが、 ユミル巨人 が出てきているあたりで、随分と怪しいおとぎ話になってしまっています…。

作者としても神話的にまとめてしまうと、あまりに『風の谷のナウシカ』に近くなってしまうので、そのようにはしないでしょうね。





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